前置詞のof〜英文法の解説
このページでは、前置詞のofの用法について説明しています。前置詞のofの用法がわからなくなれば、このページを読んでみてください。
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前置詞のofの用法
of の語源は、off です。ですから、この of という前置詞を用いた文の場合、その意味合いは「分離」というイメージで捉えることができます。
さらに、of の大きな意味に、「所属」というものがあります。この2つの意味合いは、一見、正反対に感じられますが、非常に近い関係にあるのです。
では、of の意味と、具体的な使用例を見ていきましょう。
まず、分離や剥奪という意味合いでの of の用い方ですが、「〜から離れて」、とか、「〜を離して」という直訳になります。
例えば、以下です。
May I ask a favor of you ? (あなたにお願いしてもいいですか?)
you (あなた)から ask a favor (親切) を切り離すニュアンスです。
つまり、あなたが持っている親切を、あなたから切り離して、わたしに頂けませんか?というイメージなのです。
もう一つの例文は、of が持っている分離や剥奪のイメージをよく捉えることができるでしょう。
They robbed her of her bag. (彼らは彼女のバッグを奪った。)
悪い一味に、バッグを奪われてしまいました。彼女からバッグが切り離されてしまったわけです。それで、of
が使われます。
分離と所属というまるで正反対の意味合いを持つように感じる of ですが、実はこの二つの意味は密接に関係しています。
例えば、A of Bで、大元のAから分離した部分B(元はAに所属)という関係になるからです。
このような例文を考えてみましょう。
That's just the tip of the iceberg. (それは氷山の一角だ。)
何かの問題が明るみに出た場合に、よく口にする言葉ですね。発覚したのはその問題だけですが、その裏には、同じような問題が蓄積しているのです。
ですから、元はといえば、同じ iceberg (氷山)だったと言えます。
この表現の延長として、あるグループのメンバーという関係を表現するときにも使用します。
I am a member of the baseball club. (私は野球部員です。)
John・Lennon was a member of the Beatles. (ジョン・レノンはビートルズのメンバーだった。)
さらに、この分離と所属という関係から派生した意味合いとして、be made of で、「〜によってできた」 とか、「〜から作られた」という、現物とその材料の関係を表す語となります。
この場合、間違えやすいのは「〜から」という意味の前置詞、from との見分け方です。
of の場合は、現物を見て、すぐに材料が分かる場合、from の場合は、すぐに材料の見極めができない場合、と考えるといいでしょう。
例えば、以下です。
Those glasses are all made of crystal. (あのグラスはすべてクリスタルガラス製である。)
この場合、クリスタルガラスからグラスができた、ということがすぐに分かりますね。ですから made of crystal になります。
でも、現物から材料が見極められないときにはこうなります。
This paper isn't made from trees. (この紙は木からはできていない。)
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また、of は、文章において、「〜について」という関連を表す語としても用いられます。このような用い方の場合、think
や know、hear などの動詞とともに使用します。例文を見てみましょう。
What do you think of this agenda ? (この予定についてどう思いますか?)
もうひとつ、of には用い方があります。
A of B という使い方で、「〜の…」という表現になり、物事の性質や特徴、形状、人の年齢などを表します。いわゆる特定のものを修飾する語になるんですね。この使用法は、私たちの周りでも意外と頻繁に使われています。例えば、よく耳にする言葉ですが、power
of love という意味は、愛の力ですね。
他にもスポーツニュースのコラムにこのような文が掲載されることがありますね。
「かれはチームの伝説だ。」
この場合、英訳すると、He is the legend of team.
このように、A of B で物事の修飾関係を表現でき、所有関係や主格関係、目的格関係、同格関係を表せるのです。
(文責:T)